具体的にガテン系とされる職業を見てみましょう。
建築土木関係ではとび職、大工、土木作業スタッフ、鉄骨工、鍛冶工、鉄筋工、内装工、配管工、左官、墓石工、造園士、測量士、現場監督、電気工、電話通信設備工などがあげられます。
運輸関係、メカニック関係では、倉庫の在庫や商品の管理、ハイヤーやバスなどの運転手、デリバリースタッフ、トラック運転手、バイク便ライダー、トレーラーやタンクローリー、フォークリフトの運転手、セールス運転手、自動車検査員、整備士、自動車板金士、自動車塗装士、農業、花の栽培、漁師、林業、競走馬育成要員などがあげられます。
飲食関係、製造関係、印刷業では、調理師、ソムリエ、パティシエ、パン職人、和菓子職人、機器オペレーター、生産管理、金属加工、溶接、家具職人、CAD・CAMオペレーター、印刷オペレーター、断裁・製本技術者、メッキ工、金型工、石工職人、アクセサリー製造、ガラス製造、杜氏、バーテンダー、ウェイター、ウェイトレスなどがあげられます。
メンテナンス業に関しては、ビルや施設の管理、ボイラー技士、警備、ビル清掃などがあげられ、ほかにもサービス業とされるパチンコスタッフ、ガソリンスタンドスタッフなども広義にはガテン系です。新聞配達、指圧マッサージ師、鍼灸師、理容師、映像スタッフ、イベントスタッフ、インテリアコーディネーター、葬祭スタッフ、柔道整復師、介護福祉士、義肢装具士、スポーツインストラクター、害虫駆除、錠前技師、クリーニング、ハウスクリーニング、食品販売、美術製作スタッフ、潜水士など、いっけんガテン系とは関係なくとも、技術を持った現業職という定義に従えば、これらの仕事もガテン系の中に含まれるといえます。
さらに経験をつむことでスキルアップが期待できる。ガテン系のなかには、経験や技術が問われないものも多々あります。しかし将来の転職を考慮に入れておく場合には、仕事を通じて身に着けた経験やスキルは、のちに活きてきます。
そしてやりがいです。
ガテン系は自分の実績が現場に直接反映します。テクニックエンジニアなら修理や完成度の手ごたえをもてる。調理士なら料理の出来がお客さんを喜ばせることが出来る。工員や建築労働なら生産工場や建築現場で直接モノづくりにタッチできる。仕事と自分が直結しているのです。
近年、「ガテン系は男の仕事」というイメージが変わり、職種が多岐に広がり、女性のガテン系進出が目立つのも、こうした理由です。
体が資本、これがガテン系の第一条件です。
ガテン系は、ひとつのスキルを磨き上げる職人の仕事である面があります。建設業や庭師、テクニックエンジニアなどは、その道のプロに弟子入りし、技術をひとつひとつ学んでいく。ドライバーやメンテナンス業では、相応の免許や資格が必要になります。長くひとつの仕事に就けば、自分を成長させることが出来る。そして未経験者を教える立場にもなっていきます。
持続力と学ぶことをおこたらない、これが第二条件です。
どんな仕事であれ、ひとりでできることは限られています。黙々とコンピュータにむかうのとは違い、ガテン系の仕事は共同作業が多く、同僚や先輩後輩との協力なくして大きな仕事には立ち向かえません。人間どうしが集まって肉体を使う以上、ともに働く人間といい関係を築くことはとても重要です。
仕事仲間を大事にする、これが第三条件です。
注意すべき点は、ネット情報は便利な分、詳細情報が不十分であることもあります。応募する際には必ず問い合わせて自分の求める条件と照らし合わせ、吟味する必要があります。
ガテン系派遣社員の使い捨てや待遇の悪さなどを連帯して解決していこうというNPO法人が2006年10月に立ち上げられました。『ガテン系連帯』です。行政や各企業に働きかけ、ガテン系派遣や期間工の改善を目指す活動を展開しています。
働き始めて不当な待遇や理不尽な扱いを受けた場合は、NPO法人ガテン系連帯に相談することもひとつの方法です。